ウクレレといえば、南国ののんびりした音楽を思い浮かべる方も多いかもしれません。
でも、カナダ出身のウクレレ奏者 ジェームス・ヒル(James Hill) に出会うと、
そのイメージはガラリと変わります。
今回ご紹介するのは、彼の代表作のひとつ 『A Flying Leap』。
小さな楽器・ウクレレから飛び出す大きな音楽の世界に、きっと驚かされるはずです。
『A Flying Leap』の魅力
このアルバムには、ジェームス・ヒル自身のオリジナル楽曲に加えて、
カナダの教育者 Chalmers Doane(チャルマース・ドーン) の作品「Uke Talk」を
アレンジした曲も収録されています。
特に「Uke Talk」は、まるでウクレレ同士が会話しているかのよう。
フレーズの掛け合いが軽快で、聴いているだけでワクワクします。
カナダのウクレレ教育と背景
ジェームス・ヒルが育ったカナダでは、ウクレレ教育 が広く普及しており、
学校教育にも取り入れられてきました。
その流れから「ラングレー・ウクレレ・アンサンブル」のような
教育的なサークル活動も盛んです。
ジェームス・ヒルは、こうした教育文化の中で育ち、
アーティストとしても国際的に活躍する存在となりました。
「教育の場」と「音楽芸術」が結びついた土壌から生まれた奏者だからこそ、
独自の表現スタイルを確立しているといえるでしょう。
楽曲紹介
■Uke Talk
作曲:Chalmers Doane (チャルマース・ドーン) → James Hill がアレンジ
まさに「 ウクレレのおしゃべり」というかんじでウクレレが踊りだすかのような
弾(はじ)けるようなフレーズが特徴。
■Down Rideau Canal
James Hill オリジナル曲。
世界遺産でも有名なカナダのリドー運河(Rideau Canal)。
冬になると運河が凍り、その氷上でスケートをしている(skating down)。
氷を滑る軽快さが、ありとあらゆるテクニックに散りばめられている。
■One Small Suite for ‘Ukulele
James Hill オリジナル曲。
直訳すると「ウクレレのための小組曲」といったところか。
こういったタイトルは、クラシック音楽でよく用いられる。
小組曲ということで、以下の3つの曲から成り立っている。
・Allegro con brio
・Largo cantabile
・Vivace giocoso
音楽用語で「速度」と「表現」を示すものだが、
それがそのまま曲のタイトルのようになっている。
こういったこともクラシック音楽ではよくみられることで、
クラシックぽく仕上げたのかな。James Hill の遊び心がうかがえる。
その他、James Hill オリジナル曲の「Song for Cheri」「Skipping Stone」や
映画主題歌となった「日曜はだめよ」(Never On Sunday)のJames Hill アレンジなど
聴きごたえ満載な一品。
💿🎶アルバムを通して聴くと、ウクレレが持つ表現の幅広さに驚かされます。
- 軽快で遊び心にあふれる曲
- しっとりと美しく響くバラード
- 超絶技巧のテクニカルなフレーズ
どれも「ウクレレ=南国のBGM」といった固定観念を超えた、新しい世界を見せてくれます。
「小さな楽器なのに、ここまで表現できるんだ!」と実感できる一枚です。
『A Flying Leap』は、ウクレレを趣味で弾いている方はもちろん、
「音楽を聴くのが好き」という方にもおすすめできるアルバムです。
ウクレレが“飛び立つ瞬間”を、ぜひ体験してみてください。
🍪☕🌺 聴きながら味わう「今日のおやつ」

・かっぱえびせん
・いちごのタルト
・レモン風味クリームケーキ